コミュニケーションの4区分
多くの人が関わる団体運営においては、お互いコミュニケーションを確実に行う必要があります。その手段としてよく「報連相(ホウレンソウ)」と言われますが、それに「審議」を加えた4区分を以下に挙げます。
以上の4区分を意識することは、コミュニケーションの効率化・実質化のために重要です。例えば会議の中で「報告」をしていたつもりがいつの間にか何か「相談」をしていたというケースはよくありますが、これは会議の時間を長くする要因となります。この事項については「報告」をし、この事項について「相談」する、というように意識して分けて考える必要があります。
このために例えば、会議のレジュメやメールの件名に「【連絡】練習の集合時間について」などと接頭辞を必ず入れるルールにするという方法があります。
会議を行う
4区分に分かれたコミュニケーションを行う、その基本的な手段は「会議」です。その出席者は所属員全員であったり、特定の委員のみであったりしますが、出席者同士で報連相・審議を行うことができる場が会議となります。
会議は以下の段階を踏み実施します。
会議効率化でできた時間を有効活用
「レジュメもなく議事の順番も分からない」「話す事を事前に整理しておらず、その場で考えながらも間違った情報を伝える」「思い出したように相談事をはじめるも、急に言われた出席者がその場で考え出し長引く」等、準備不足は会議出席者の時間を奪うことになってしまいます。
もちろん誤解してはならないのは、これは会議当日の自由な議論を妨げるものではありません。人が集まり話をすれば、その場で「そういえばこのことも決めなければならなかった」「こんなことやってみたらどうだろう」と新しい考えが出てきて盛り上がることもあり、これはむしろ歓迎されるべきものです。
重要なのは「事前準備をしておき会議を効率化し、その効率化の結果で生み出すことができた時間を有効活用する」ことです。生み出せた時間を使って前述のように新しいアイデアを生み出すような議論をしてもいいですし、仮に会議が早く終われば練習時間に当てることもできるのです。
ストーリーと資料を作っておく
議題提出者はどのような議論に持っていくかのイメージを事前に作っておきましょう。もちろん予想したストーリー通りに会議が進むとは限りませんが、まずは大元の筋書きがないと会議は動きません。「きっとみんなが意見を出してくれて結論に持っていってくれる」とは考えないほうがよいでしょう。
また内容により資料を作っておきます。自分にとっては、話す内容を整理し、より効率的・効果的に伝えるにはどうすればよいか作戦を立てられますし、伝えモレの防止をすることもできます。また聞く側にとっては、話の全体像と要点がつかめ有用です。
ただし、資料を一字一句読み上げるだけでは退屈なものとなり逆効果なので注意が必要です。資料を読みつつも時に自分の言葉で説明を加えると効果的です。
その他会議について
タスク管理をする
会議において各担当が実施すべき仕事(タスク)が明らかになったら、会議の議事録から「誰が」「いつまでに」「何を」しなければならないかタスクの抽出を行い、タスクの進行状況をお互い確認し合います。
例えば「施設係が」「今週中に」「来月の練習場所を予約する」というタスクの場合、施設係は実際に予約ができたら所属員に向け「報告」をします。もし報告が無くタスクが行われていないようだと判断した場合、施設係の面倒を見る立場の人(例えば「総務局長」)が確認を行います。
また、例えば「演奏会の映像を配布する」のように、特に期限が無いタスクの場合はどうしても実施が遅れてしまいがちです。この場合も面倒を見る立場の人が進行状況を逐次確認し、あえて締切を設定してみる等の対応をします。
タスク管理の基本は「記憶でなく記録で」です。指示を受けてどこにもメモをしない人がいればその人は恐らくそのタスクを忘れます。手帳や携帯電話等にタスクを落としこませることが必要です。