今回も組織体制の話だったわね。
本編で挙げたのは、演奏側と運営側の二人の責任者がおり、
さらに各部員は「楽器のパート」と「係」の両方に属する
という、いわゆる「ツーボス制&マトリクス組織」の例ね。
対して、特に中学高校の部活でありがちな組織として
いちおう生徒側の部長はいるけれど、全体を統括するのは
あくまで顧問教員ひとりという「ワンボス制」組織があるわ。
ワンボス制の組織も間違いではないけれど、欠点としては
演奏の質を高めようとするあまり、運営側の仕事がなおざりに
されてしまう等、演奏・運営のバランスを取るのが難しいことね。
ただ見かけはワンボス制の組織であっても、演奏会に向けては
演奏会実行委員会を組織し、その実行委員長が取り仕切る等の
工夫をすることで、権限と責任を上手く分散させることに
成功できれば、いいんじゃないかしら。
大事なのは、実務を行わずマネジメントをする専門の立場の
役職を置くことね。
各係の仕事は上手くいかないこともあるし、突然その係の人が
病気で来られなくなることもあるので、そういう時に
フォローできる体制を整えておくのよ。
また、マネジメントをする範囲を明確にしておくことも大事よ。
例えば単なる「副部長」というのは、何の係を統括するのか
分からないのでNGで、「運営担当副部長」「演奏担当副部長」
など必ず名称で明確にしておくことね。
もっとも、こうしたガチガチの組織を作らず
少数の運営メンバーだけ決めておいてフレキシブルに動ける組織の方が
上手くいくこともあるわ。
学生団体なのか社会人の団体なのか、各人のスキルと余裕はどうか等を
考慮しながら判断することになるわね。
楽団運営は個人戦ではなく団体戦なので、
どういった組織体制・マネジメント体制で進めていくかは
その楽団の実力を大きく左右することになるわ。
ちょっと自分の団体の体制を振返ってみましょう!
それじゃ次回は「第03回 運営は誰もがやりたくない?」よ。
おたのしみに!
追記
「けだし幼稚な組織はマネジメントの概念が欠如し路頭に迷い、逆に成熟しすぎた組織はマネジメントばかりで船頭多くして船山に登る」