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since 2002.10.14

第03回 運営は誰もがやりたくない?

今日のお話は、色んな立場の人にとって耳の痛い話かもね。

そもそもお客様感覚で団体に所属し、運営は誰かがやれば良い

と考える人もいれば、運営の重要性は十分わかっていながらも

個人の事情でなかなか仕事ができないという人もいるわ。

 

まずは団体における運営・裏方の重要性は、最低限の理解が必要ね。

私たちは上下水道や電気が無いと生活していけないけど、それらは

穴を掘って社会インフラを支える人々の地道な努力で支えられているわね。

同様に、音楽団体が楽しく活動するにも、誰かが運営・裏方の仕事を

地道に頑張らなければならないの。

 

ただ、趣味の団体であれば運営の仕事をやっても給料は出ない。

就職活動でアピールできたり、その後の人生にとって貴重な経験と

なったりという利点は実はあるんだけど、だからといって

「じゃあやります!」という人はなかなかいないわね。

誰だって、楽団運営するよりは楽器吹いたりデートしたりしたいわ。

 

もちろん、運営自体が楽しい、運営を頑張れば音楽も向上できる、

人を支えることが生きがいって考える人もいるにはいるけれど

なかなかそういう人も少ないわね。

(音楽自体に興味無く運営だけやりたいって人は、逆に危険な場合も…)

ということで、そもそも運営の仕事なんかみんなやりたくないので

だったらみんなで公平に分担しましょう、というのがテーマでした。

難しいのは重々承知よ。でも、だからといって諦めず

「どうすれば実現できるだろう」って、考えていくのが大事ね。

 

①仕事の分配

「他の人は仕事を手伝ってくれない、なんで自分ばっかり…」

と思う人がもしいたら、それは他人のせいではなく、仕事がうまく

分配できていないという「仕組み」の問題かもしれないわ。

「手伝いたいが、どう手を出せばいいか分からない」という人も

もしかして存在するかもよ?

 

別の例で、「この人は能力が低いので任せられない」というように

「仕事が人についてしまう状態」は健全ではないわ。

能力を高められないのは、その人のせいではなく、団体としての

組織体制・引き継ぎ・教育研修という、これも「仕組み」の問題だわ。

 

ただ、現実的にどうしても負担が公平にならない場合もあるわね。

生活のためのバイトや毎日残業の人に対し過度な負担は求められないし。

また、団体の方針として「運営は少数の特定メンバーで行う」と

決めている場合もあるし、その方がフレキシブルな場合もあるしね。

 

でも、その「少数のメンバー」を例えば演奏会ごとに「持ち回り」

にして極力全員が経験できるようにすることは、特に学生の成長を

目的の一つとする「課外活動としての学生団体」にとっては

必要になってくることよ。

 

忙しい人でも、小さな仕事でいいから何かしら分担させるとか、

少なくとも運営側のお願いに対して各種シメキリを守らせるとか、

協力する体制・雰囲気に団体全体を持って行くのは大事なことよ。

②仕事の効率化

過去の資料を蓄積してうまく再利用したり、時期による忙しさを

踏まえた仕事の分担をしたり、グループウェアを活用したりと

いくらでも仕事の効率化の方法はあるわ。

 

仕事を分散させるということは、それだけ情報の共有に

齟齬が生じる可能性もあり、ミーティングやメール等を活用した

報告・連絡・相談体制のあり方にも検討の余地があるわね。

長い会議は効率化の敵よ。

③仕事のモチベーション

「何だよあの先輩、後輩に仕事を任せて自分はラクしてて…」という

その先輩が、実は影で色々な仕事をやっていて大変ということもあるわ。

問題の本質は「仕事が見える化できていないこと」、要するに

誰がどれだけ仕事をしてるのか、把握できない「仕組み」よ。

 

「今週わたしはこの仕事をやりました!」とお互い報告し合えば

「おお、ありがとう!」「なんだ大変だな、手伝おうか」という

コミュニケーションが生まれるはずで、そういう報告し合える

「仕組み」ができていないのが問題ね。

以上、多くは「個人の問題」「精神論の問題」ではなく「仕組みの問題」

であるということを、改めて認識する必要があるわ。

 

語り尽くせないけど、引続きこのテーマについては考えていきましょう!

それじゃ次回は「第04回 アイデア会議とセレモニー会議」よ。

おたのしみに!