吹奏楽団や管弦楽団、軽音楽部、合唱団、リコーダーサークル等ジャンルは問わず、また所属人数等も問わず、一般にアマチュアの音楽団体においてある程度共通に必要となる楽団運営の情報を提供しています。
当サイトに掲載した内容は、全ての音楽団体で行わなければならない訳ではありません。団体の目的・性格により、その団体に必要なこと、必要性が低いことがあるため、取捨選択をして頂ければと思います。所属員の気持ちを無視して「このサイトに書いてあるから」と強行に運営を行うことだけは避けていただくよう、お願いいたします。
大学のサークルや一般団体では奏者自身が運営することが多いのに対し、中学・高校の部活動であれば、ここに書かれた多くの事は顧問教員・保護者が行う場合もあります。そういった方々にもぜひご覧いただき、また生徒自身についてもこうした運営に関する事柄を知っておく意義は大きいので、参考にしていただければと思います。
はじめに
楽器を演奏する人の多くは、何らかの音楽団体に所属しています。合奏という形態の場合はそもそも奏者が集まらないと演奏が成立しませんし、たとえピアノ等の独奏楽器の場合であっても、情報交換をしたり演奏会を開いたりするにあたっては団体に属すメリットは大きいものです。
ところで、皆がただ集まって楽器の練習をするだけでは、その団体は存続できません。例えば練習場所を確保したり、お金の管理をしたり、会議の準備をしたり。演奏会であれば、曲目を検討したり、司会進行を考えたり、印刷物を作ったり、広報をしたり。そうした仕事をする「運営スタッフ」「裏方」という存在が音楽団体には必要となります。
裏方の大目標は「奏者が演奏に集中できる環境を作る」ことであり、その目標達成のためには次の2つが必要です。1つ目は「マイナスをゼロにする」こと、すなわち運営ミスにより、演奏から離れた所でマイナス要素が出てしまうのを避けることです。2つ目は「奏者の時間を無駄に奪わない」こと、すなわち運営の準備不足により、奏者の貴重な練習時間を無駄に奪ってしまうのを避けることです。このように普段は縁の下の力持ち的な存在ですが、裏方の仕事次第ではその楽団の演奏自体を変えてしまう程の影響を与えることもできます。
各団体で独自の引継ぎマニュアルもあるかと思いますが、本サイトではその基礎的な部分を紹介することになります。また既存団体で裏方の仕事に就いた方のみならず、新しく音楽団体を立ち上げようとしている方にも参考にしていただければと思います。
音楽団体の裏方は自らもプレイヤーであることが多いです。「自分達が楽しく演奏活動を行うには、どんなことが必要だろう」、そうした視点を常に持ち、ぜひがんばってください。
【当サイトで使用する用語】
目次
第1章 運営の基礎 | |
第2章 各担当の実務 | |
第3章 演奏会の運営 | |
その他コラム |
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当サイトの内容は、書籍版『[裏方の楽典]はじめての楽団運営』から掲載したものです。web上ではなかなか読みづらいと思いますので、ぜひ書籍版の方もよろしくお願いいたします。部室に一冊どうですか?
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