演奏会を企画する
音楽団体におおむね共通しているのは「演奏会を開く」のを活動の一つの目的としていることです。本番に向けての練習により団体の演奏のレベルアップにつながり、また自分達も観客も一緒になって「音を楽しむ」という音楽の根本の部分に触れることができる、その重要な機会が演奏会です。
定期演奏会等を開いている団体は、ある程度ノウハウもあり一定のクオリティが期待でき、前回の反省やアンケート結果を踏まえさらに良いものも目指せます。しかし曲目・演出・客層等がマンネリ化してモチベーションが低下していないか注意する必要はあります。
対して結成間もない団体、合同演奏会には出演していたが単独の演奏会は経験が無い団体が自分達で演奏会を企画しようとするのはなかなか大変です。しかし前例にとらわれず自由な発想で演奏会を一から作っていけるというのは利点でもあります。
企画段階では、他団体の演奏会に行ってみると参考になります。また例えば管弦楽団の団員がボカロのライブに行ってみるなど、まったく別のジャンルの演奏会に行ってみると新たな発見があるかもしれません。
演奏会で何をしたいのか議論する
義務だから行う、例年通り淡々と行う、そんな演奏会ほどつまらないものはありません。所属員一人ひとりの「こんなことやりたい」を実現する演奏会が求められます。
そのためには例えばブレインストーミングなどの手法により、演奏会で何をしたいのか議論する必要があります。
意見募集は最低限行う
ブレインストーミング等の手法は、本来であれば専門の教育を受けたファシリテーターと呼ばれる人によって行われるため、我々が行うと上手くいかないかもしれません。加えて時間が無かったり、人数が多い団体は特に収拾がつかなくなったりして、この企画部分は一部の執行部や実務を行う各担当によりなされるのが実情という団体も多いでしょう。
大きな演奏会であればあるほど準備事項は膨大となり、それゆえ大枠は全員で決めるけれど、個別の事項は各担当がどんどん進めるスタイルを取らざるを得ません。
ただ前述の通り所属員のモチベーション維持向上のため、演奏会について「こんなことをやりたい」という意見の募集を所属員に対し最低限行う必要はあります。演奏会来場者に対するアンケートを団体内でも行ったり、パートごとのミーティングなど少人数の集団ごとで意見をまとめたりすることができます。こうした手法により、各担当の実務においてできるだけ多くの人の意見を取り入れるという姿勢が必要となります。
●企画会議の例
会議一週間前 | ・演奏会で何をしたいか一人5個以上考え、付箋に書いてくるよう周知 |
会議開始時 |
・ルールを周知(批判をしない、奇抜なアイデアも歓迎、先輩後輩の関係は抜きにする等) ・人数が多い場合は班に分ける(後で班ごとに発表) |
議論開始 |
・意見を言いながら付箋を模造紙に貼っていく ・出された意見からさらに新たな意見を生み出す(付箋に記入) ・似た意見の付箋は一箇所にグルーピングする |
議論終了 | ・係が模造紙の内容をまとめ、次回までに企画書案を作成してくる |